●イラスト参考(イラストのみの制作は承っていません) | 下2点はNHK TVで使用したアニメーションの原画です。 左イラストと描き方の違いが分かりますか? |
アニメーションキャラのラフ案 | |
イラストレーターってなに? イラストレーターという名称を最初に使ったのはおそらく横尾忠則さんか、黒田征太郎さんかと思います。イラストレーションにもともと絵画という意味合いはなく、印刷用語でテキスト以外の要素(主に図形)ということ、写真やカットも含まれます。 このカットの部分だけを取り上げて、主に印刷媒体で使う簡単な絵をイラストというようになりました。 横尾さんの画集を見ると、ポスターの原画として、版下に色指定したものが掲載されています。 ラフスケッチは当然あったのでしょうが、「原画」はあくまで版下なのです。 この版下という言葉は浮世絵からきたもので、版木を彫るための下絵という意味です。 横尾さんはまさしく現代の浮き世絵師だったのです。 ボストン美術館に所蔵されている浮世絵は保存状態が大層よく、大首絵の髪の生え際が、墨と灰色の2色で表現されていることが分かったそうです。 これを喜多川歌麿の手柄と思っている人は多いようですが、それだけではありません。 木版画浮世絵は商品です。版元がプロデュースして、絵師・彫師・摺師に仕事を発注します。最終的な品質はこの三者のコラボレーションで決まります。 絵師が自分で構想する時には彩色するかもしれませんが、浮世絵の下絵は線画です。この下絵を裏返しに貼って版木を起こします。主版(おもはん)といい浮世絵の元となるものです。 主版から何枚もの下絵のコピーを刷ります。コピーに絵師が色指定し、今度はそれを使って色版を彫るわけです。 また背景のグラデーションに関しては、摺師の技量にかかっています。 髪の毛だけでなく、着物の柄なども細密に描かれています。これらも絵師・彫師・摺師、それぞれの段階での創意工夫によるものです。 ”芸術家”である歌麿が肉筆のアート作品を創って、下職の彫師や摺師が原画に描かれたものを忠実に写し取り、大量生産するというものではないのです。 江戸時代に芸術という言葉は使われていましたが、それは剣術のことだったそうです。江戸時代に絵師・画工はいても、芸術家・アーティストはいません。 イラストレーターは、現代の絵師・画工なのでしょうか。 |