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デザインの目的

ウェブは見た目だけではダメです。よけいな画像や動きは可読性を損なうだけ

SEO対策だけやってもらえますか。あるいは、今のデザインを見直してもうちょっとアピールできるものにしたいんだが。
よくあるご要望なのですが、いずれもお受けできません。小手先のテクニックとか、見た目を変更するだけのリニューアルは経験上、やっても無駄です。当所のSEO対策はコピーライティングが特徴なので、コンセプトから全体を練り直すリニューアルが必要になります。

デザイン決定に関して、とても示唆的なページがあったのでご紹介します。おそらく多くのサイトがこのようなプロセスを辿っているのではないでしょうか。リニューアルをリデザインと勘違いしているところは多いのです。

ウェブデザインの本質は見た目ではありません。操作しやすさ、わかりやすさ、親しみやすさ、あるいは高級感といった構造に関わるものです。実は私どものグループには、アニメーション部門もあり、Flashを使った派手なページも作れないことはないのですが。(AdbeがついにFlashの開発を断念しました。ソフトに頼ったもの作りをしていない私たちには、何の影響もありませんけれど)

アフィリエイターさんの書いた《The “Ugly Truth” About Why Ugly Banners and Sites Work So Well!》で紹介しているバナーでBanner 2.をアグリー・デザインと言ってますが、バナーの目的としてはBanner 1.より優れていると思います。どう見ても狙っているとしか考えられないデザインです。
ところでこれは、ABテストのまねごとなのですね。昔よくスプリットランとかやってました。(資料請求の切り取り線の形で反応が違うなんて……)

見た目が大事なのは旧メディアの場合

見た目を変えて反応がアップするのは、旧メディアの場合です。旧メディアはプッシュ・プルでいえば、プッシュ戦略です。
プッシュ戦略は、必ずしも求めてはいない相手に、メッセージを伝える手段です。1回言っただけで相手に伝わるのは、1%だと思ったほうがいいでしょう。伝えるためには、100回以上も繰り返す必要があるわけです。GRP(総到達率)という指標があって、60%が目安になります。

でも同じ事を同じように繰り返していたら、今度は飽きられてしまいます。さらに繰り返せば嫌われます。ここに工夫が必要であり、目を引くデザインが求められるのです。

ビジュアルと音楽の力を最大限に使った、成功例があります。プロパガンダです。

それは「錦の御旗」です。菊の紋章を縫い取った旗を押し立てて、薩長が官軍を名乗ったため、徳川方は賊軍と言われてしまいました。
分かりやすいサインを使い、さらに「トンヤレ節」で補強したのです。これは素晴らしい先例として称賛に値するものです。(岩倉具視の発案によるものだと言われてるようです。それにしても徳川の方が征夷大将軍だったはずなのに、大政奉還の直後ですね。みごとなタイミングです)

また新撰組も制服と旗の重要性をよく認識していました。ダンダラ羽織は初期の頃、目立つため(防犯)でした。池田屋事件のあと名が売れてからは、むしろ目立たないよう黒ずくめだったらしい。制服を着た隊列は一種のメディアでもあります。チンドン屋もこの流れ。
さらに古くは、十字軍の扇動者、ワルター・サン・ドゥヴァールが行った方法も神の親書(?)を携え、隊列を組んで旗や讃美歌を用いていました。