一昔前は個人情報の収集(お客様カードでの囲い込み。化粧品や健康食品でよく見られる、無料お試しセットのプレゼント、カタログ無料配布など)が大切でした。
ホームページから資料請求とか、無料小冊子プレゼントとか、せっせと個人情報を集めている所は、相変わらず多いようです。自社の営業に使うためならOKなんですね !!
でも今は、個人の行動パターンに基づいたターゲットマーケティングが盛んです。レコメンドエンジンが代表的です。アマゾンにとって必要な個人情報は、まさに購買履歴・商品検索そのものです。個人の消費行動把握については、こちらのブログもご参照ください。
Googleも従来パターンの個人情報は収集しません。たとえば、AdSenceは検索している内容(興味の対象)に合わせた広告を表示します。この際に個人の属性は必要ありません。
GoogleショッピングやGoogleプレイスのためでしょうか、位置情報はかなり正確に把握しているようです。Google+が始まってからは、年齢・性別も収集し始めました。
Facebookも同じように、パーソナライゼーションされた広告展開を計っています。これはGoogleのアプローチとは異なり、会員のプロファイル(個人を特定する情報でなく、デモグラフィックデータによるライフスタイルパターン)に基づいたものです。Facebookそのものが個人同士の繋がりですから、極めてクラシカルな手法を用いていることになります。
フェイスブックは最初、アメリカのエスタブリッシュメント(予備軍?)という基盤を持っていたわけで、もともと保守的・内向きなサークルです。実際、フェイスブックからの流入(トラフィック)には、新規ユーザーがほとんどいません。直帰率も高めです。
グーグル経由のユーザーと明らかに異なり、積極的に情報収集を行わない層です。この辺を見極めないと、マーケティングには使えないでしょう。
近頃、ホームページに個人情報の取り扱いについて、などともっともらしく書いている所が増えています。はたしてどれだけ意識しているんでしょう、おまじないを唱えているとしか見えません。
どう見ても5000件ものデータがありそうもない所が、麗々しく個人情報の取り扱いについてとか書いているのは、業者任せのCMSテンプレートで作ったホームページです、と宣言しているようなものです。でなかったら、他のまねをしたお飾りですね。(2017年5月より5000人条項はなくなりますが)
かつて、オフィスの個々人の机の引き出しには、書類があふれていました。
情報(インフォメーション)というのは、収集して分類・解析することで初めて役に立つ(インテリジェンス)ものです。個人の引き出しの中に分散されたバラバラの状態では、意味をなしません。中にはご丁寧に鍵までかけている者もいました。(思い当たるでしょう)
本人は私物も入っているから、というつもりなんでしょうが。そもそも会社の備品である机に、仕事の資料とともに私物を入れることが心得違いです。
今もその精神構造は変わらないと思います。個人情報漏洩事故の75%は人的ミス(ファイル共有ソフト+盗難・紛失+安易にUSBメモリーにコピーなど)で占められるといわれます。ほとんど個人の自覚のなさが原因です。システムの問題ではありません。
■社会保険庁の一連の問題も、データ入力業務を外部に丸投げしたために起きたことでしょう。業者のデータ入力業務は主婦パートです。そんなのはまだ良心的で、中国に外注したところもあるようです。
■また、NTTは明らかに自らが保有する個人情報を販売代理店に流しています。電話帳に載っていない当所に光回線等の営業電話がくるのはNTTのみですから。
■いわゆるワン切りで電話番号を収集し、不特定多数に営業電話をかけるのも廃れません。(こういう怪しいデータを使うのは詐欺商法会社ばかりです)
個人情報の漏洩・散失は、システムのセキュリティの問題なんかじゃありません。